子ども自身が運営するパーク

荒川区の幼稚園・小学校における特別な支援を必要とする園児・児童が増えているというお話がありました。区立幼稚園の今後の方向性の議論も現在進行形で進んでいるところでもありますが、そういった「特別な支援を必要とする児童」のためのどんな施設をつくることが可能なのだろうかと私も考えておりました。これまでと同じような幼稚園にそういった傾向の子達を集めて職員を増やして、幼稚園の同じようなことができるように教育するようになるのだろうか、そうなると大変居心地の悪い、行きたくないような場所になりそうだなぁと思っておりました。枠をつくってはめようとしているのは、制度の方であり、多様性のあるインクルーシブな社会になる予定のこれからの未来社会になると言われておりますので、違った形も考えられなくはないかと考えていました。

そんな時に「ドキュメント72時間」というTV番組の、9月2日の放送は「”どろんこパーク”雨を走る子どもたち」というタイトルで「川崎市子ども夢パーク」の様子を3日間ドキュメントする番組を見ました。2000年に川崎市が子どもの権利条例をつくったことをきっかけに、その3年後、工場跡地1万平方メートルに「子どもが自分の責任で自由に遊び、学び、つくり続けていく子どもの居場所、活動拠点」としてつくられたそうです。広い空地に木や草が生えていて、泥あそびや火起こし、手作りのウォータースライダー。屋根のあるところもありまして、本を読んだり、PCは1時間まで。年長の子は楽器の練習や木工や粘土細工をして、本当に楽しそうに遊んでいました。雨が降ると普通は建物の中に入るもんですが、みんなで出て行ってびしょ濡れになって、泥だらけになるけど、着替えを持ってきてシャワーも浴びてきれいになって帰れるようなところでした。

もう一方では学校に居場所を見いだせない子ども達も通っており、何度も友達に「死ね」と言われて学校に行けなくなった子や、ずっと座ってるのは苦手という女の子もいました。そこの場には社会福祉士のいるような団体が管理をしており、焚火をしても良いかとか聞きにいったり、けんかになった時にアドバイスしたりもしていました。発達障害だからといって家に引きこもって孤独に、あるいは保護者とばかり生活していては行き詰ってしまうと思います。こういう場所に行って、非認知能力を養ったり、異年齢化もしれないけど、人の目のあるところで集団生活を学校とは違う形で行うということもあると思います。荒川区にもぜひこういった場所が必要なのではないかと思っております。色々考えましたが、廃止になった後の区立幼稚園跡地や荒川遊園D地区のこれから整備をする所に一部こういった子どものフリースペースの場をつくれないかと思っております。

非認知能力は、意欲、協調性、粘り強さ、忍耐力、計画性、自制心、創造性、コミュニケーション能力などのことを言いますが、良い意味で「他人」がいなくては決して養われることのない能力だと思います。五感を使ってそういった能力を養う場として実現を検討していただければと思います。荒川区でも文教子育て委員会が委員会提案で「子どもの権利条例」を提出する予定です。この条例策定を機に子どもパークができることを願っています。

(R3年度決算に関する特別委員会より)